2010年01月13日

誰も孤独にしない町 阪神大震災から15年(産経新聞)

【復興の光と影 阪神大震災から15年】(下)

 独り暮らしの人が誰にも看取られずに住居内で亡くなる「孤独死」。阪神大震災では、発生直後から被災地に建てられた仮設住宅での発生が相次ぎ、独居者の健康ケアや地域コミュニティーの大切さがクローズアップされた。

 だが今も孤独死は続いている。震災から5年となる平成12年から昨年1月までの9年余りの間に、568人が被災者のために建設された災害復興住宅で孤独死した。兵庫県の65歳以上の人の割合を示す高齢化率は平成17年10月時点で19・9%と全国水準(20・1%)とほぼ同じだが、県内265カ所で約4万人が暮らす復興住宅に限ると、昨年の高齢化率は47・6%、独居率は51・5%にのぼる。

 県は生活援助員(LSA)が派遣されるシルバーハウジングの大半を復興住宅に組み込み、13年からは独自に高齢世帯生活援助員(SCS)も派遣。地域のコミュニティー支援を進めているが、「568」という数字が重くのしかかる。

 一方、昨年3月まで「孤独死」ゼロを10年間続け、全国から視察の絶えない復興住宅もある。芦屋市の埋め立て地に建てられた「南芦屋浜団地」。814戸中230戸がシルバーハウジング。現時点で、被災地で唯一LSAが24時間常駐している。

 LSAを派遣する高齢者総合福祉施設「あしや喜楽苑」には、地域に開放されたギャラリーや交流スペース、喫茶店があり、毎日100人以上が出入りする。入所者のほか、復興住宅を含む地域のお年寄りが、絵手紙や将棋などの「クラブ活動」や、お茶を楽しみに集まる。

 施設を支えるのは300人を超える地元のボランティア。運営法人「きらくえん」の市川禮子理事長は「24時間体制に加え、地域とのつながりが孤独死を防ぎ、復興住宅の活性化につながっている」と話す。

 震災で家を失い、家族を亡くした人も少なくない高齢者を“孤独”にしない取り組みは、他の復興住宅でも進む。そこには新たなコミュニティーも生まれている。

 11年に入居が始まった神戸市長田区の復興住宅「エヴァタウン海運」では、地域も一体となった「ふれあい喫茶」が月2回開催されている。地元のまちづくり協議会の浅山三郎会長(72)は「コミュニティーは、復興住宅の住民だけでは作れない」と、地域住民に積極的な参加を呼びかけてきた。

 クリスマス会も兼ねた先月23日の「喫茶」に顔をそろえたのは80人以上。「あの人どうしてんの」と、会話は自然に地域の人々の近況に及ぶ。上田義隆さん(72)は、復興住宅に移り住んだ当初は知り合いもいなかったが、喫茶を通じて町の行事や自治会活動に誘われた。昨年は夏祭りの防犯部員も務めた。

 「行事などに誘ってもらうと、住民の一員になれた気がする。安心して暮らせているのは、道で会えば『こんにちは』と言い合えているからですね」

 人を支えるのは人。15年前と同じことを今、改めて実感している。

     ◇

 この連載は木村さやか、佐久間史信、木ノ下めぐみ、塩塚夢が担当しました。

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posted by fy9qizmban at 17:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

成人式 エレベーター事故で亡くなった市川さんの母が出席(毎日新聞)

 東京都港区のマンションで06年に起きたエレベーター事故で亡くなった市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)の母正子さん(57)が11日、港区のホテルで開かれた区の成人式に出席した。存命なら息子が参加するはずだった成人式。正子さんは「みんなスーツを着たり、化粧したりして大人になったと感じる。同じように大輔が大人になっていたと思うと胸がいっぱいになる」と話した。

 都立小山台高野球部2年だった大輔さんは06年6月、自宅マンションの12階でエレベーターを降りようとした際、扉が開いたままかごが急上昇し、かごの床部分と外枠に挟まれ、死亡した。

 正子さんは、高校野球の試合で守りにつく大輔さんの写真を抱いて出席。「息子はムードメーカー的な存在だった。今日も式の後は仲間の中心になって集まるよう呼びかけていたと思う」と話した。

 大輔さんの二十歳の誕生日にあたる昨年12月12日には、自宅で同級生ら約20人が誕生日パーティーを開き、思い出を語り合ったという。幼なじみの私立大2年、高橋愛(めぐみ)さん(20)は「本当は一緒に出たかったけど、お母さんが来られて良かった。市川君の分まで元気で生きていきたい」と話した。

 東京地検は昨年7月、事故のあったエレベーターを製造した「シンドラーエレベータ」(江東区)の元東京支社保守部長ら計5人を業務上過失致死罪で在宅起訴した。【山本太一】

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